グループホームで働くときの3つのやりがい

グループホームは、認知症を患っている高齢者の方を対象とした介護施設です。こちらで働く介護職は、以下の3つのことがやりがいにつながっていると言います。

まず1つ目は、認知症の進行を介護によって緩やかにできたときです。グループホームは、認知症の方の症状を緩和させるため、入所者は共同で生活を送ります。できることは自分でやってもらい、介護職はそれを見守ったり、できない部分をフォローしますが、そうした日常生活の中で、認知症の症状が緩和したり、入所者の笑顔が増えたと実感できた際には、「自分のケアが高齢者の方の役に立った」と感じることができ、承認欲求が満たされるようです。

それから、2つ目は、利用者やその家族から「ありがとう」の言葉をかけられたときです。認知症を患うと感情の起伏が激しくなり、些細なことで暴言を吐かれたり、時には暴力的な振る舞いをされることもありますが、こちらがサポートしたことによって「ありがとう」という具体的な感謝の言葉をかけられると、自分の仕事を受け入れてもらえたと感じやすくなります。これは、介護職全体にも言えることです。

そして3つ目は、入所者と家族のような関係性を築けたときです。グループホームでは、入所者が食事を作ったり、掃除をしたり、ガーデニングをしたりして、家庭での暮しを模したような生活を送ります。そして、介護職は家族のように共同でそれを行い、できていない部分を手伝いますが、そのような中で密な関係性を築けたときには、この環境をより良くしたいという思いが増したり、入所者へ寄り添う気持ちが強くなります。そのため、一方的に介護をするよりも、入所者との間に親近感が感じられ、それが仕事への意欲につながるようです。

働く前には、自分の適性を見極めよう!

介護施設の1つであるグループホームは、認知症の高齢者を対象とした、地域密着型の入居施設です。1ユニットあたりの入居者は9名までとなっています。また、グループホームでは、入所者が快適な生活環境家で安心して暮らせるように、介護職が生活全般を見守ります。そのため、グループホームで働く時には夜勤もしなければなりません。日中はスタッフが2~3名常駐しますが、夜間は1名で対応するケースも少なくないので、有資格者のほうが歓迎されます。

ちなみに、グループホームで働く介護職は、通常の介護業務に加えて、調理の補助業務もあります。グループホームの中には、入所者の栄養のバランスを考えて、専任の調理スタッフを擁している所もありますが、入所者と介護職とで食事の準備をするところもあります。ですから、手際よく調理できるスキルもあったほうが、仕事がスムーズにこなせるでしょう。

それから、入所者は認知症の高齢者ばかりなので、認知症に関する知識も求められます。認知症の進行を遅らせるためには、コミュニケーションが有効ですし、できるだけ家庭に近い環境で、自分のことは自分でやってもらうべきですが、入所者の症状は個人差があるので、柔軟な対応をしなけれなりません。ですから、認知症の知識が必要になるのです。

ただし、グループホームは他の介護施設に比べると、入所者数が少ないため、利用者一人一人に目が届きやすいという特徴があります。それに、身体介助が必要な方も少ないので、介護職の身体的負担はそう大きくはありません。ですから、グループホームで働く時には、これらの特徴を踏まえて、自分に適正があるのかどうかをじっくり検討しておくべきでしょう。